金原ひとみ【ナチュラルボーンチキン】
金原ひとみ/著
出版社名 河出書房新社
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-309-03916-9
(4-309-03916-2)
税込価格 1,760円
「この物語は、中年版『君たちはどう生きるか』です。」ーー金原ひとみ
とにかく読みにくい本だった。内容ではなく、体裁が。
金原ひとみという作家は芥川賞を獲った人ということくらいしか知らなかったが、他の本もこんな書き方をするのだろうか?
しかし、内容はよかった。最初は何だか乗れないなぁと思っていたが、次第にこの主人公浜野の生き方に共感出来ることが多くなってきた。
一見奔放に見える同僚(名前が仮名書きだと「ひらきなおり」になるのが可笑しい)も、しっかり考えている部分がある。
主人公が売れないバンドのまさかさんと出会ってからが、秀逸だ。
まさかさんの気負わない態度に浜野も心惹かれていき、二人は大人の付き合い方をするようになる。
お互いかなり不幸な子ども時代を過ごしていたという共通点もあってか、相手を思い遣る気持ちが伝わってくる。
浜野のルーチン生活に変化が訪れるのも、もうすぐだろう。
著者の言葉通り、「この物語は、中年版『君たちはどう生きるか』」だと思う。
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