菰野江名【つぎはぐ,さんかく】
ポプラ文庫 こ8-1
菰野江名/〔著〕
出版社名 ポプラ社
出版年月 2025年2月
ISBNコード 978-4-591-18533-9
(4-591-18533-8)
税込価格 836円
【選考員満場一致!第11回ポプラ社小説新人賞を受賞した傑作小説】
以前読んだ【さいわい住むと人のいう】著者のデビュー作とのことで読んでみた。
晴太・ヒロ・蒼の三人兄弟は、惣菜屋を営みながら三人だけで暮らしている。物語はヒロの視点で語られる。
時々どこからか援助の手(現金や振込)があるものの、その事情については最初は判らない。
ヒロはコミュニケーションが苦手で、中学までは学校ではずっとひとりぼっちだった。
次第に、晴太や蒼の出自があきらかになっていく。
金を届けていた男は二人の「父」で、晴太は施設から引き取られ、蒼は認知された。
だが正妻に子が生まれたため、二人は「用無し」となったのだった。
書名の「さんかく」は三人が描く「三角」で、店の名前でもある。
ヒロは蒼が中学卒業後家を出て寮のある専門学校へ行くことを危惧している。元実家へ行ってしまうのではと……。
そのヒロ自身にも生母に捨てられたという過去があり、その分三人で暮らすことへのこだわりが強い。
最終的には蒼はちゃんと考えていることも判り、ヒロは進路のアドバイスをする。
蒼が卒業して帰ってくるまで、二人で店をしっかり維持することだろう。
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【さいわい住むと人のいう】(25,01,29)
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