篠田真由美【誰がカインを殺したか】
講談社ノベルス シI-26 桜井京介returns
篠田真由美/著
出版社名 講談社
出版年月 2015年6月
ISBNコード 978-4-06-299048-6
(4-06-299048-2)
税込価格 1,056円
小さき者への慈愛をこめて描かれる傑作短編集。
桜井京介の建築探偵シリーズは、20年も前に読んでいる。
京介の、ちょっと漫画チックな容貌と、しかし卓越した推理力に惹かれ、(多分)シリーズは読破した。
本書はそれから20年以上経過しているのか、すっかり落ち着いた京介と、臨床心理士として働く蒼が遭遇した物語。
二人は神代教授の家で暮らしており、深春は父親になっている。
そこに庄司ゆきという中学生が、いわば事件を持ってくる役割として登場してくる。
4つの中短編だが、表題作【誰がカインを殺し方】はあまりスッキリとしなかった。
いくら容貌が変わったとはいえ、楽しく過ごした日々を覚えていないはずがない。
そしてどうしても、蒼が昔遭遇した【原罪の庭】が思い浮かぶ。
蒼もそのときの京介の対応を忘れることはないのだろう。
蒼が『「大丈夫君は一人じゃない!僕達がいるから何も恐くない!」 』と堤少年に言う言葉には、説得力があるし今の蒼の原動力になっている。
蒼自身、自らの家庭の問題で苦しんでいたから。
こっくりさんの話は、昔聞いたことがある。
幸いなことに身近ではそんなにはまった子どもたちはいなかったが。
「桜井京介 returns」シリーズとしては二作目のようだが、次も読むかなぁ。
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