早見和真【アルプス席の母】
早見和真/著
出版社名 小学館
出版年月 2024年3月
ISBNコード 978-4-09-386713-9
(4-09-386713-5)
税込価格 1,870円
まったく新しい高校野球小説が、開幕する。
紹介文にある通り、ある意味「まったく新しい高校野球小説」なのだろう。
「あの本読みました?」で著者自身が語っておられたし、司会の鈴木保奈美が涙ぐむという醜態を見せた通り、球児の母親からの目線での話だ。
しかしこの菜々子という女性に、殆ど魅力を感じられなかった。
東京育ちをいいことに、関西蔑視の姿勢が垣間見えるし、自分は違うのだといったところも気になる。
また、周りに合わせることが苦手ではあっても、あまりにも自分勝手な行動に引いてしまう。
特に最後の声かけなど、非常識丸出しだ。
著者は執筆中、ずっと母親のことを考えていたと仰っていたが、思い入れがあまり激しいと作品に悪影響を与えるような気がする。
著者自身、神奈川桐蔭高校野球部の補欠選手だったのだ。
とは言え、新しい高校野球小説であることは間違いない。
もう少し客観的に、そしてもう少し短い方が感動を呼ぶのではなかろうか、という気がしただけだ。
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