原田ひ香【老人ホテル】
光文社文庫 は35-5
原田ひ香/著
出版社名 光文社
出版年月 2025年4月
ISBNコード 978-4-334-10608-9
(4-334-10608-0)
税込価格 858円
7人兄弟の末っ子である主人公は、「天使(エンジェル)」という。兄弟たちも皆聖書に出てくる名前である。
両親は役所を欺いて生活保護を受け続ける、かなり最低の人間。兄姉たちは、次々と家を出て、天使も高校を中退して家から出る。
彼女の望みは、ひたすら金持ちになること。
働いていたキャバクラで知った金持ちの老人、光子を追って、彼女が「住んでいる」ホテルの清掃員となる。
タイトルの「老人ホテル」というのは、定住する老人たちが1階を占めていることからの呼び方だろう。
この老人たちは皆個性的で、自前でネット接続をして株のトレードをしている人もいる。
天使は何とか光子に近づいて、「金持ちになるこつ」を教えて貰おうとする。
その為の奮戦記のような話だが、どうにも主人公に感情移入出来なかった。
後半、光子から「講義」を受けるあたりからは面白くなるのだが、最後は肩透かしを食ったような終わり方だった。
この光子とのやりとりで、天使が生活保護について否定的な考えをしていることへの、光子のさとし方がいい。
まっとうな理由で受給するなら、生活保護は悪いことではないよ。受けてる人も悪くない。
「特別スピンオフ短編」は主人公のその後を描いたものだが、これまた中途半端で楽しめなかった。
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