松本清張【捜査圏外の条件】
新潮文庫 ま-1-73 初期ミステリ傑作集 3
松本清張/著
出版社名 新潮社
出版年月 2025年6月
ISBNコード 978-4-10-110979-4
(4-10-110979-6)
税込価格 825円
7年間の執念の行方を描く表題作のほか、清張初期の傑作ミステリ8編を収録。(編者解説・日下三蔵)
初期ミステリ傑作集(三)
「初期ミステリ傑作集(二)」とほぼ同じ頃の出版。
最初の出版時ではないが、次の出版時にはほぼ読んでいる。
幸い(?)忘れていることが多いので、楽しめた。いや、覚えている作品でも、やはり清張はスゴいなと思う。
冒頭の【鬼畜】は、映画化の時岩下志麻が(鬼畜になりきるため)子役とはほぼ接触を断っていたというエピソードを思い出す。
すごい作品だった。
表題作【捜査県外の条件】は、妹を殺された兄が復習する物語。
容疑者との接点を断ち切るため、職を辞し地方へ引っ越して7年。ひたすら機会を伺っていたのだ。
【真贋の森】も、一種の復讐物語だ。だが、極力目立たせていなかった偽作者の表へ出たいという欲求が、ことを失敗に終わらせてしまった。
救われない話だ。
【拐帯】は、心中を決意した若いカップルが最後の豪遊を計画し、その旅先で出会った中年夫婦に憧れる話。
これはよく覚えている。
最後、男の決意がよかった。まだ若いのだから、しっかりやり直そう。
【カルネアデスの舟板】や【真贋の森】は、学研の世界のイヤな面を見せつけてくれた。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 原リョウ【さらば長き眠り】(2025.07.08)
- 佐々木譲【代官山コールドケース】(2025.07.06)
- 【下町洋食バー高野 ビーフシチューとカレーは何が違うのか?】(2025.07.04)
- 6月の読書メーター(2025.07.01)
- 有栖川有栖【こうして誰もいなくなった】(2025.06.30)
コメント