麻宮ゆり子【花電車の街で】
双葉文庫 ま-26-01
麻宮ゆり子/著
出版社名 双葉社
出版年月 2021年9月
ISBNコード 978-4-575-52496-3
(4-575-52496-4)
税込価格 770円
街の移ろいや大人たちとの交流を通して描く、瑞々しい成長物語。
このところ、名古屋づいてるかな?
花電車というのは、見たことがある。市電だから、大阪へ来たからではなく、京都にいた頃だろう。
名古屋の大須というところで、母と二人で暮らす中学生の碧。
彼女は心ない人の「ててなしご」という言葉にもめげず、アルバイトをしながら時折映画館に通う映画好き。
将来は映画監督になりたいと思っている。
その彼女たちが暮らす大須という街も、活写されている。
一宮市出身の舟木一夫とは一つ違いだから、学生生活も似たようなものだったかもしれない。
しかし大須は、「ごった煮の街」と書かれているように、色んな人が暮らしていた。
母も昼間の喫茶店だけでなく、夜はバーに勤めている。
自分の学生時代とも重なる部分があるが、随分違う印象を受ける。
自分が住んでいたのはいわゆる住宅街で、買物はとなりの街の市場へ行く必要があった。
こうした「ごった煮の街」は大阪にもあったと思うが、実際には知らない。
大須は栄えていた頃から一旦衰亡し、また生き返るという変遷を経ている。
最終部分、望みが叶った碧が大須を訪れ、昔馴染みと出会って映画の構想を話すところもちょっと感傷的になる。
しかし若い人は確実に育っていて、碧は彼らをモデルにドキュメンタリーを撮ることにしている。
という終わり方もよかった。
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