中山七里【ヒポクラテスの誓い】
解剖医の矜持と新人研修医の情熱が隠された真実を導き出す、迫真の法医学ミステリー!
著者の【合唱 岬の帰還】に、本書の光﨑教授や古手川刑事が出てきたので再読してみた。
前回も、「一つ一つを、もっとキチンと再読したい。」などと書いている。
内科の研修医である真琴が、上司の命令で法医学研究所へ赴くところから始まる。
ここの担当医は、光﨑教授という「死人はウソをつかないから好きだ」という変わり者で、片っ端から死者を解剖しては大学の予算を食い潰している。
それを快く思わない連中が、真琴の上司を通してスパイ行為をさせようという魂胆だった。
全部で5つの短編集だ。
第1話は「死者と生者」で、酔い潰れて凍死したと思われる死体に、実は殺人が絡んでいた事件。
第2話は、幼い少女からの電話で始まる。
彼女の父がひき逃げを起こしたのを、解剖して真相を見届けて欲しいという依頼。
単なる交通事故として処理されたものだ。光﨑の解剖で見つけられた血栓が、被害者の死因の原因だった。
この時の遺族は勿論解剖など望まず、敢えて法医学研究所へ運んだ古手川も、相当光﨑に「毒され」ている。
第3話はボートレースの選手の、疾走中での事故。
これも、ボート一筋の選手の話だが、実は生活もかかっていたという現実が控えていた。
第4話は、真琴の友人で彼女自身往診を担当していた女性の急死。ここで「代理ミュンヒハウゼン症候群」という言葉を知って、承認欲求の怖さに慄然とした。
そして最後の第5話で、これまでの総決算。真琴の上司の企みが明かされる。
という、いずれも一気読み必至の話だった。
これがドラマ化されていたのを知った。
第1話を観たが。、北川景子主演で、何と光﨑教授役は柴田恭兵。ちょっとカッコ良すぎだ。
かなり原作に忠実な感があるので、第2話以降も楽しみだ。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 角田光代【さがしもの】(2026.06.06)
- 青谷真未【流星と桜】(2026.06.03)
- 5月の読書メーター(2026.06.02)
- 宇津木健太郎【猫と罰】(2026.06.04)




コメント