麻宮ゆり子【仏像ぐるりのひとびと】
光文社文庫 ま22-2
麻宮ゆり子/著
出版社名 光文社
出版年月 2018年6月
ISBNコード 978-4-334-77662-6
(4-334-77662-0)
税込価格 814円
仏像に魅了された人々の再生と成長の物語。
先の【イケズの構図】と同じく、舞台は京都。当然「京都人」も登場するが、本書を読んでいるとそんな所謂「イケズ」な気持ちなど吹っ飛んでしまう。
こうした本は、心が洗われるような気がする。
勿論スピーディーな展開の刑事ものや他のミステリも好きだが、本書のようなものをを読むとホッと出来る。
元々美術系の大学へ進学したかったのを父親に反対され、その後事故に遭って二浪したのち、雪嶋は京都大学に進学。
そこで見つけたアルバイト募集に応募して、仏像修復師の元へやってきた。
小さい頃から仏像が好きで、自分でも見よう見まねで仏像を彫ったりしていた雪嶋にとって、願ってもない仕事場だった。
実は再読で、細かい部分は忘れていたが、大雑把に好きな本だったことは覚えている。
修復師門真の仕事ぶりや物腰の柔らかさにも、惹かれる。
その門真のいとこであるもえ美との交流も、何とか覚えていた。
東京が最後の職場だと言っていた父親の再度の転勤が決まった時の、母親のキッパリした物言いが気持ちよかった。
それまで自分を殺して夫の言うことに従ってきた母(彼女自身、それぞれの場所での人間関係もあったのに)は、ようやく自分を主張して、自分の思いを口にしたのだ。
仏像は、自分も好きだ。
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