中山七里【復讐の協奏曲】
講談社文庫 な91-5
中山七里/〔著〕
出版社名 講談社
出版年月 2023年2月
ISBNコード 978-4-06-529956-2
(4-06-529956-X)
税込価格 836円
私の仕事は無罪にすることで、真相を明らかにすることではない。
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?
本書の単行本出版は20年11月。
これは【合唱 岬洋介の帰還】よりも先だろうか?あとだろうか?それによって、洋子の姿勢の意味が違ってくる。
本書は御子柴シリーズの最新刊とのことで、このシリーズは確か最初の一冊、あのおぞましい殺害現場のものしか読んでいない(と思う)。
プロローグを読んだだけで、物語の肝心のところが分かったような気になっていたが……。
著者のことだ。そう易々と分からせてはくれないだろうと思いながら読み進めていたのだが……。
結末を知るのが、楽しみなような怖いような。だったが、話は思いも寄らぬ方向へと転がりだす。
本書では、二つの事件が並行して進行する。
一つは、洋子が食事を一緒にした相手が殺され、洋子が被疑者になったこと。
凶器のナイフには、洋子の指紋しか着いておらず、警察はそれをもって大きな証拠物としている。勿論科捜研のお墨付きだ。
実はこれと同じことが、洋介の【合唱】でも起きており、この際も科捜研対氏家の鑑定との対立となった。科学的証拠が、新たな冤罪を生むことが懸念されている。本書では名前は出て来ないが、氏家の鑑定があったことは間違いない。
洋子の事件の被害者はとんでもないドンファンで、被害者に恨みを抱いていたものは大勢いた。
御子柴はそれらの関係者に当たると同時に、洋子のことも調べ始める。
もう一つは、御子柴が過去を語ったことにより、彼を懲戒請求することを求める手紙が殺到してきたこと。
洋子はその事務処理をしている最中に逮捕されたのだ。
これらの請求者はとあるブログに先導されており、その対策は洋子の留守中に仕事を依頼したこれまた訳ありの弁護士が受け持ってくれていた。
そんな時に、御子柴自身が襲われる。
この二つが結びついたとき、というのが本書の粗筋だ。
今回の「どんでん返し」は、いつもとは違って事件関係者同士の関係そのものだった。
相変わらず、息をつかせぬ面白さで引っ張ってもらった。
冒頭の疑問だが、御子柴が自分の過去を話したのは本書の事件の一つ手前なので、2016年の岬洋介の事件よりは前のことになる。
何故なら、洋介が帰国する際にはすでに御子柴は「死体運搬人」と呼ばれていたのだから。
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