中山祐次郎【救いたくない命―俺たちは神じゃない2―】
新潮文庫 な-109-2 俺たちは神じゃない 2
中山祐次郎/著
出版社名 新潮社
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-10-103982-4
(4-10-103982-8)
税込価格 781円
最強外科医コンビの活躍を描く「俺たちは神じゃない」第2弾。
今回はそれぞれが、比較的メリハリの効いた話だった。
近所の病院が改装のため、外傷系の急患が来ることになった麻布中央病院。
さっそくやってきた1号は、無差別殺人の犯人だった冒頭作【救いたくない命】。
「こんなのは救う価値がない」と珍しく感情的に叫ぶ松島。実は彼の元同僚が、犠牲になっていたのだ。
せっかく命を助けても、この犯人は今度は司直の手で裁かれることになるのだが。
それでも医者は、目の前の命を助ける必要がある。
次の【午前4時の惜別】は、剣先が高校時代のサッカーの顧問だった。
その指導方針に反発してサッカーを辞めた剣先だったが……。
こういう立場は、微妙だろうな。
【白昼の5分間】
医師だけではなく看護師も、夜勤もあるし四六時中家族を観ていられるわけではない。
一人息子を女手で育てていた看護師は、自分が夜勤の時に息子の異変に気付かなかったことを、自身に責める。
出勤してきた剣崎に指名で助けを求めて来たのだが、難しい症例だった。
まずは自分自身と家族が安心して暮らせるような職場というのは、難しい。しかしそのために、誰かが犠牲になってはいけない。
【メスを擱いた男 】
先の本で、自殺願望者が屋上から落ちて来たのを受け止めて、自らは脊柱損傷になった医者がいた。
剣崎も松島も、院長の縁戚ということで「下手なのにやけに難手術をやりたがる」この男が好きではなかった。
だが結果的に彼が救った飛び降り男は、剣崎の担当患者だったのだ。
そのことにずっと後ろめたさを感じていた剣崎だが、ようやく彼の様子を見に新しく務め始めた職場へ赴く。
いくら悔いても、どうしようもないことは、この世に存在する。
最後は【患者名・剣崎啓介】とある通り、剣崎自身が手術台に載ることになった話が。
盲腸炎というのは、お腹の痛さで自分でも判断できる。
自分の場合も外出先からの帰路痛くなり、もしかしたらと一応入院の準備をして病院へ行ったっけ。家族は留守の時間帯だった。
読んでいてもやはり、東野圭吾さんのことが浮かんでくる。
何とかもっと、命永らえて書いて頂けなかったのだろうか。
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