2017.11.17

原田マハ【独立記念日】

独立記念日

独立記念日原田 マハ 著
税込価格: 823円
出版 : PHP研究所
ISBN :978-4-569-67913-6
発行年月 : 2012/11/10
利用対象 : 一般

寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇を収録。【「TRC MARC」の商品解説】より

一つ一つが短かすぎて、物足りない。
が、それぞれの物語が次にゆるやかに繋がっていって、間にエピソードを挟んだ長編小説のような感もある。


冒頭の【川向こうの駅まで】では、多摩川を渡ってあこがれの地で住むようになった菜摘が登場。

そして最後の【川面を渡る風】で、これまで彼女と関わってきた女性たちと河原でバーベキューをする場面で終わる。

そうか、あのバーへは時々行ってたのか。

先生、再就職できてよかったね。一番気になっていたのだった。

そして何より、菜摘ちゃん、おめでとう!「幸せの鐘」をならすことが出来て。


一つずつ確かめたいので、詳細は別に書く。


独立記念日
Kindle版価格:700円


| | コメント (0)

2017.11.14

内田康夫【歌わない笛】

歌わない笛

歌わない笛内田 康夫 著
税込価格: 514円
出版 : 光文社
ISBN : 4-334-73645-9
発行年月 : 2004.3
利用対象 : 一般

雪の中、死体となった女性が握りしめていたフルートは左右の構えが逆だった。警察は自殺と断定したが、今度は婚約者が溺死−。音大移設を巡る汚職と、交錯する愛憎が招いた殺人に、浅見光彦の名推理が冴える!【「TRC MARC」の商品解説】

【高千穂伝説殺人事件】(17.10.05)でマドンナだった本沢千恵子が、今回も登場。6年ぶりだとか。こういうのは、珍しいのではないかな?
浅見への慕情も、ふんだんに出てくる。

フルートを持つ手の構えが違っていたことに気づき、浅見に連絡する。
例によって警察は、まったく取り上げようとしない。


千恵子の話を聞いた浅見は、岡山まで出張って調査を始める。
ところが今回の浅見は、かなり強引で危険である。
脅迫じみたことまで、しでかしている。


そして、最後は悲劇で終わる。


千恵子の積極性も【高千穂伝説殺人事件】の頃より増しているし、何となくいつもの(?)シリーズと違う印象を受けた。


津山は行ったことがないなぁ。
その隣の、奈義町へは行って、気に入ったのだったが。
奈義町 山の駅(12.09.05)


津山には実際に「作陽音楽大学、作陽短期大学音楽科」というのがあって、本書のように倉敷市に移転している。
利権と政治の醜い争うというのは、実際にもあったのだろうか?


「歌わない笛」という、タイトルが悲しい。


歌わない笛
Kindle版価格476円


| | コメント (0)

2017.11.10

滝口悠生【高架線】

高架線

Photo滝口 悠生 著
税込価格: 1,728円
出版 : 講談社
ISBN : 978-4-06-220759-1
発行年月 : 2017/09/28
利用対象 : 一般

風呂トイレつき、駅から5分で家賃3万円。古アパート・かたばみ荘では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して…。人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。(「BOOK」データベースより)

単行本が出たときは、Kindle版価格もそれなりに高い。だから文庫化されるのを待つことが多いのだが、今回は悩んだ末に購入した本。
読後感がいいというレビューを読んだから、なのだが……。


ある程度の量、一人が語って物語を構成していく。
最初の登場人物新井田は 、郊外から東京へ急行で通っていて、あるとき各停しか停まらない駅近くの「かたばみ荘」に入居する。

就職して多少家賃が高いところに引っ越ししてから、次の住人三郎が失踪したあたりまでを彼が語る。

次は、三郎が引っ越してきたときに車を出してくれた三郎の友人で、歩(あゆみ)という。
三郎とは高校まで同級だったこともあり、1年浪人して東京の大学に入った三郎と再会する。

その三郎が、姿を消した。

新井田も歩も、それまでのことを思い出しながら探そうとするが、手がかりはない。


自分で話しているように、彼の話し方はのんびりというかダラダラしていて、肝心の要点がなかなか出てこない。

しかしそれは他の登場人物も同じで、歩の恋人も思いつくままに語り続けているという感じ。

三郎が見つかり、姿を消した理由もわかったが、彼女はただ三郎の言うことを鵜呑みにせず、むしろ店長の立場に立った考え方が出来るのだった。

三郎の次に「かたばみ荘」に入居したのは、故郷をわけありで出てきた、峠茶太郎。面白い名前だが、追われているので偽名だ。

彼も又、これまでのことや今のことを、ツラツラと語っていく。

この峠茶太郎が、2011年3月11日の地震を体験する。

そのあと学生時代から喫茶店でアルバイトをしていて卒業後も店長になった目見(マミ)も、小説家と名乗ってフラッとこの町に現れた日暮も、ツラツラと語って行くだけで、そういう小説だとしたら、それもありか。
その間に「蒲田行進曲」の話が全部語られたり、映画見なくてもわかったような気になれた。

とか書いているこれ(この文章)も、またツラツラだなぁと思いながら、それでも止められずに最後まで読んだ。

東京の交通系をもっとよく知っていたら、もう少し楽しめたのかもしれない。
同じような感じで大阪が舞台だったら、きっとノリノリになれただろう。


高架線
Kindle版価格:1,404円


| | コメント (0)

2017.11.06

G・K・チェスタトン【ブラウン神父の童心】

ブラウン神父の童心

PhotoG・K・チェスタトン 著 中村 保男 訳
税込価格: 799円
出版 : 東京創元社
ISBN : 978-4-488-11013-0
発行年月 : 2017/01/12
利用対象 : 一般

奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモアで、ミステリ史上に燦然と輝く短編集がリニューアル。ブラウン神父初登場の「青い十字架」、大胆なトリックの「見えない男」、有名な警句で知られる「折れた剣」など全12編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】


「古典的名作」とある。

収録作は、
青い十字架
秘密の庭
奇妙な足音
飛ぶ星
見えない男
イズレイル・ガウの誉れ など12篇。

いずれも30ページほどの短篇なので、サクッと読めるが……。

【青い十字架】では、大泥棒を追うフランスの名刑事が、イギリスまでやってきてそれらしい人物を追うという展開。
相手は神父の服装をしており、近くまで追い詰めたと思ったが真面目な話をしている二人に失策をしたのではとうろたえる。
だが……
と、ここでブラウン神父登場なのだった。

その名警察官が、こともあろうに……。という展開の【秘密の庭】。

名士にとっては、俗世界と如何にかけ離れているかが、ステータスを誇ることになるらしい。
【奇妙な足音】は、同じような色の服装がもたらした錯覚。
ここからは、ブラウン神父とフランボウとの対決になる。


ここまでもそうだが、どれも何かに扮装しているというか、変装しているというか。
そりゃそうだ、見知った人のいる中での犯罪なのだから。


ところがこのあとの【飛ぶ星】で、フランボウは改心してしまい、

【見えない男】では神父と一緒に事件の解決にあたる。

「見えない」というのは、目の前を通り過ぎても「こういう人物」という思い込みがあるとスルーしてしまうこと。
「制服」に化けてだます方法は、よくある手だな。


【イズレイル・ガウの誉れ】では、なんと大泥棒だったフランボウは素人探偵として神父の「友人」となっている。
そして調査を頼まれているのが、スコットランドのお城なのだ。

イギリスの地方の景色描写などが美しいが、このスコットランドの荒涼たる城とその周辺は「マクベス」の世界と同じかもしれない。

そして不可思議な事件もまた。

ではあるが、仰々しいだけであまり面白くなかった。


ブラウン神父の童心
Kindle版価格:640円


| | コメント (0)

2017.11.02

笹沢左保【空白の起点】

空白の起点

空白の起点笹沢 左保 著
税込価格: 576円
出版 : 日本文芸社
ISBN : 4-537-08031-0
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

真鶴の海岸近くの崖から男が突き落とされ墜落死する。折しも、付近を通過中の列車の乗客が事件を目撃するが、目撃者の一人は被害者・小梶美智雄の娘・鮎子であった。

冒頭は、保険会社の調査員が大阪からの帰途、この列車に乗り合わせているところから始まる。
保険会社同士は横のつながりがあり、多額の保険金をかけていた場合「要注意人物」と見なされているという。

調査員の新田純一はそれを思い出し、独自に捜査を始める。

この新田という人物は何だかニヒルな感じがするが、過去に何かあったらしい。
他社の女性調査員は新田を気にしていて、ついに男女関係にまで持って行くのだが、この辺りの新田の心理がよく判らない。


警察が容疑者を特定して、その容疑者が自殺してしまうあたりから、話はより深刻になっていく。

しかし、この犯人。本当に辛かっただろうな。


被害者を意のままに(?)操るあたりに少し無理を感じたが、いいドラマを見た感があった。
sugataさんが2時間サスペンスと仰っていたが、火サスのラストシーン、音楽があってクレジットを背景にするのは、犯人の後ろ姿あたりで終わった方がよかったかな。


空白の起点
Kindle版価格:540円


| | コメント (0)

2017.11.01

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2691
ナイス数:44

代官山コールドケース代官山コールドケース感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-3305.html
読了日:10月28日 著者:佐々木 譲
本日は、お日柄もよく (徳間文庫)本日は、お日柄もよく (徳間文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-2b21.html
読了日:10月26日 著者:原田マハ
できない脳ほど自信過剰できない脳ほど自信過剰感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-462b.html
読了日:10月17日 著者:池谷 裕二
そして、ありがとう・・・-犬とわたしの12の涙ーそして、ありがとう・・・-犬とわたしの12の涙ー感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/12-26a1.html
読了日:10月14日 著者:わぐりめぐみ
七十歳死亡法案、可決 (幻冬舎文庫)七十歳死亡法案、可決 (幻冬舎文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-83b2.html
読了日:10月12日 著者:垣谷 美雨
地層捜査 (文春文庫)地層捜査 (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-d771.html
読了日:10月08日 著者:佐々木 譲
高千穂伝説殺人事件 (角川文庫)高千穂伝説殺人事件 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-29db-1.html
読了日:10月05日 著者:内田 康夫
お父さんの日記お父さんの日記感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2017/10/post-1492.html
読了日:10月03日 著者:かあい がもん

読書メーター


| | コメント (0)

2017.10.29

堂場瞬一【潜る女】

潜る女

潜る女堂場 瞬一 著
税込価格: 778円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-790803-4
発行年月 : 2017/03/10
利用対象 : 一般

結婚詐欺グループの一員と目される元シンクロ選手のインストラクター・荒川美智留。大友は得意の演技力で美智留に接近し、事件の裏に潜む複雑な事情に分け入っていく…。【「TRC MARC」の商品解説】より

「保護者」が二人ともいなくなって、このシリーズは終わりかと思っていたら、二課から直接依頼が来て詐欺グループ相手の仕事をすることになった、大友鉄。

学生時代の演劇経験が生きて、いきなりのお芝居模様である。


今回は、敦美の様子がおかしい。
ちょっとしたことで転んで、怪我をしてしまう。
しかし読者にとっては、非常に判りやすい。少し前のこのシリーズで、敦美が誰かとつきあっている話が出ていたし。


【潜る女】というタイトルは、非常に意味深長だった。


捜査のためとはいえ、大友が美智留をだましたようで、あまりスッキリした読後感は得られなかった。


潜る女
Kindle版価格:770円


| | コメント (0)

2017.10.28

佐々木譲【代官山コールドケース】

代官山コールドケース

代官山コールドケース佐々木 譲 著
税込価格: 788円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-790505-7
発行年月 : 2015/12/04
利用対象 : 一般

川崎の女性殺人事件の現場で、17年前の代官山・カフェ店員殺人事件の遺留DNAが採取される。事件の真犯人を確保するよう、警視庁・特命捜査対策室のエース・水戸部に密命が下り…。【「TRC MARC」の商品解説】


警視庁と神奈川県警が仲が悪いというのは、色々な刑事物で取り上げられているようだが。
堂場瞬一の作品にもあった。

本書も、神奈川県警に負けるわけにはいかないという設定。

今回は、水戸部の同期である科捜研の中島も、捜査に加わることになる。

また、事件当時渋谷署で捜査に関わっていた時田も、何とか再捜査に入り込みたいと願っている。
当時、事件が解決したとは思っていなかったようなのだ。

また、本書では女性警察官の活躍もある。
水戸部と組んだ朝香千津子は、調査能力も聞き込み能力もある。
中嶌と組む吉住理恵も、有能そうだ。

水戸部と朝香は、地道に代官山周辺の聞き込みに回る。
中島は、吉住 と一緒に事件当時の関係押収物の分析をする。

時田は、折から起きた殺人事件の捜査を進めつつ、水戸部と連絡を取り合う。
一見無関係な今度の事件だが、その内関係してくるのかな?

と思っていたら、やはりそうだった。


神奈川県警も本ボシに追いついてきたと思われる直前、17年の年月を超えて、両方に関係していた犯人が判明する。
朝香の辛い過去の話は、やはり神奈川県警との対立を描いた堂場瞬一【検証捜査】(17.07.15)とも似通ったところがある。


関連記事
地層捜査(17.10.18)


代官山コールドケース
Kindle版価格:600円


| | コメント (0)

2017.10.26

原田マハ 【本日は、お日柄もよく】

本日は、お日柄もよく

本日は、お日柄もよく原田 マハ 著
税込価格: 700円
出版 : 徳間書店
ISBN : 978-4-19-893706-5
発行年月 : 2013/06/01
利用対象 : 一般

二ノ宮こと葉は、製菓会社に勤める27歳のOL。ある日、結婚披露宴で、伝説のスピーチライター・久遠久美の素晴らしい祝辞に出会い感動したこと葉は、久美に弟子入りすることに…。【「TRC MARC」の商品解説】

まさに、自分の気持ちにピタリの本だった。但し、10年前の話。

ではあるが、話が選挙だったのが少々興ざめ。
出来れば、もっとスピーチを使う他の場所の方がよかった。現実に選挙が終わったところだから、余計にそう思うのかもしれないが。

選挙というのは、スピーチ力が大きいと思う。感動を与える力もある。だが、実際の結果は、そう簡単ではない。

もう一つ、ワダカマとのことも結末が予想された通りになったが、そうではない方がよかったような。


オバマのスピーチのうまさには、いつも感じ入っていた。就任当初はよく聞いていたが、最近はその機会も減った。また見つけて聞いてみようと思ったのが、本書の一番の収穫かもしれない。


本日は、お日柄もよく
Kindle版価格:648円


| | コメント (0)

2017.10.17

池谷祐二【できない脳ほど自信過剰】

できない脳ほど自信過剰

できない脳ほど自信過剰池谷 祐二 著
税込価格: 1,365円
出版 : PHP研究所
ISBN : 978-4-569-70039-7
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

たいしてデキないのに自信満々な人、いませんか?それって脳のクセだったんです。人気脳研究者が綴る脳と科学の最新知見が満載。

「週間朝日」連載のコラムから、比較的新しいものを選んでの単行本化。エッセイだから一つ一つが短くて読みやすい。週刊誌連載ということで、専門的なことも易しく書かれており、楽しく読める。

目次を眺めているだけで、かなり興味深い項目がある。
しかしこれらも追求すれば、随分研究されているのだろう。

順番に読んでいかなくても、一つ一つの項目から興味あるところを拾い読みしていくのが、涼の「オススメ」。

内容は大きく6つに別れている。

導入部分の
1.脳のクセを知る

たしか「何かを意識しているときは瞳孔が開く」ということを書いた覚えがあるが、それがどこでだったか?まるで思い出せない。
「ウソをつくと瞳孔が開く」だったっけ?これは、ラジオで聞いたんだった。
好きなことだけでなく、暗算をしている時もだって。


もっとも知りたい(?)
2.記憶とは何か


「人間の尊厳」に触れた
3.ヒトをヒトたらしめるもの


感情も脳が支配するから
4.「気持ちいい」を科学する


普段意識していない分野に触れた
5.見えない世界


「実は携帯は細菌の温床だった!」というのもあって、衝撃的である。
手で持って、ポケットなど暖かく細菌の温床になるような場所に保管されている。
細菌は手から感染することが多いから、まさに標記通りなのだろう。

そういえば、パソコンのマウスも「汚い」ということを聞いたことがある。同じように、常に手に触れられているというのが原因だ。
「手洗い励行」は、ここでも有効ということになる。ま、携帯を触る度に手を洗うのは不可能に近いが。


そして最後が、
6.未来を考える

ここでは、iPS細胞も登場して、人工知能について触れられている。


一篇が短いし、色々面白い話も多い。蘊蓄にも使えそうだが、すぐ忘れるだろうな。
現在も連載中かなと思ったのだが、最新号には載っていなかった。


できない脳ほど自信過剰
2017年5月30日第1刷発行


| | コメント (0)

より以前の記事一覧