2024.10.09

よしながふみ【きのう何食べた?】

Photo_20241006080201

モーニングKC
よしながふみ/著 
出版社名 講談社
出版年月 2024年9月
ISBNコード 978-4-06-536727-8
(4-06-536727-1)
税込価格 792円

今回のメニューは…パエリア、ブルーベリーチーズケーキ、鶏もも肉のみそ豆乳鍋、カニかまとじゃがいもとほうれん草のグラタン、鶏肉とかぶのねぎごまあんかけ、鯛茶漬け、赤飯、夏おでんなど。

 

朝日新聞夕刊に出た記事を読んで、たまらずポチってしまった。

しばらく読んでいなかったが、あの二人はそのままだった。

飛ばしている間に、小日向さんとジルベールは結婚して、しかもヨーロッパへ新婚旅行に行ってきたらしい。
例によって嫌みたっぷりの、ジルベールの自慢話が続く。

読む本と違ってコミックが実写化されていて困るのは、俳優さんのイメージが絵と違う場合だ。
今回も、小日向さんはすっかり山本耕史でインプットされているから、少々違和感があった。

やはりお料理の数々がおいしそうなのは当然として(みそ豆乳鍋はこの冬にしよう、夏おでんは来年だな)、今回はケンジの奮闘ぶりが目立った。

四人の中で一番年長のシロさんは、還暦を迎えてしまった。
職場からは花束を貰ったシロさんだが、ケンジは何やら企んでいるらしい。

それが、「還暦おめでとうサプライズパーティー」だけでなく、二人の結婚式だった。

しかも、これまで登場した人たちをみんな招待している。

ケンジへの拒否感を示していたシロさんの母も、出席して祝ってくれた。
ケンジの母や姉たちは本当によい人たちだから、双方打ち解けることも出来たようだ。

何だか最終巻のような感もあるが、このあとはどうなるのだろう。
表紙絵が素敵だったが、これは結婚式の衣装だったのだ。

 

| | コメント (0)

2024.10.07

年を重ねるゲイ・カップル、続く日常こそ希望

Photo_20241006080201

(水上文の文化をクィアする)年を重ねるゲイ・カップル、続く日常こそ希望

土曜日の夕刊で読んだ。

シリーズ最初の頃は紙本で読んでいて、シロさんの料理を真似て作ったりしていた。

いや、この記事で言いたいのはそこではなく、17年間で23刊の出版で、二人も周りも変わっていく様子が描かれていることだ。
当初は今ほど、世間でクィアに理解がなく、シロさんの頑なな態度がむしろ当たり前だった。

それがここ二・三年で、かなり共感を得ている部分もある。
ドラマ化でより判りやすく描かれた影響もあるだろう。

かなり飛んでしまったが、最新刊を買おうかな。
表紙絵、かっこいいなぁ。西島さんを想起してしまう。

 

| | コメント (0)

2024.10.06

西村京太郎【十津川警部「目撃」】

Photo_20240620124101

著者:西村京太郎
価格:616円
出版社名 KADOKAWA
出版年月 2014年1月
ISBNコード 978-4-04-101193-5
(4-04-101193-0)
税込価格 616円

東京の高級マンションと富山のトロッコ電車で、いずれも青酸カリを使った殺人事件が起こった。事件の被害者に共通するものは何か? 捜査の指揮を執る十津川警部は、事件の背後に政財界の大物の存在を知る。

 

【十津川警部とたどるローカル線の旅】を読んで、購入した本。

次期総理と目される人物の不祥事を隠すために、「目撃者」を抹殺していくダークな話。

さまざまな思惑も絡み合って、なかなか本筋にたどり着かない。

「ローカル線の旅」としては、富山のトロッコ電車が登場する。
秘境の温泉宿から見えるトロッコ列車。見てみたいものだ。

 

関連記事

【十津川警部とたどるローカル線の旅】(24.08.08)

 

| | コメント (0)

2024.10.04

奥田英朗【家日和】

Photo_20241003154801

集英社文庫 お57-3
奥田英朗/著
出版社名 集英社
出版年月 2010年5月
ISBNコード 978-4-08-746552-5
(4-08-746552-7)
税込価格 682円

今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

 

結構シンドイ話を読んでいたので、息抜きを兼ねて著者のユーモア小説を再々読。
前回・前々回は13年前と9年前だった。中身は完全に忘れているが、読んでいくうちにほぼ思い出した。

当時とは少し違う受け取り方が出来て、おかしかった。

一番好きなのは、【ここが青山】かな。妻が出来すぎているというか、主夫業に励む夫も嫌みがなくていい。
「おとうさんの かいしゃ とーさんしたの」と無邪気に言う息子が可愛い。

【家においでよ】は、今回も面白かった。こんなお城は、男でなくても憧れる。
あらためて、社会に出たら男性も自分の好きなことは出来なくなってしまうのだなと、多少同情の念が湧く。

最後の【妻と玄米御飯】は、著者ご自身のことではないだろうなと心配になってくる。直木賞作家だし。
しかし書いてあることは楽しく、あまりにも極端な健康志向は却って心身に悪いような気もする。

 

伊良部先生シリーズも読み直そうかなぁ。

 

| | コメント (0)

2024.10.03

佐々木譲「道警シリーズ」

Photo_20241003084301

森博嗣の「S&Mシリーズ」が一段落して、佐々木譲の「道警シリーズ」に戻って来た。

戻ってきたとは言っても、実はまだ新装シリーズの二冊と、それと知らずに読んだ【真夏の雷管】のみだ。

著者の作品は読了語切なくなるものが多く、どんどん連続して読むのは辛い。

 

関連記事

【真夏の雷管】(21.06.17)

【笑う警官】(24.08.04)

【警察庁から来た男】(24.09.12)

 

画像は【真夏の雷管】の表紙カバー。この少年が幸せになってくれますように。

 

| | コメント (0)

2024.10.01

9月の読書メーターまとめ

9月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:6050
ナイス数:1560

有限と微小のパン: The Perfect Outsider (講談社文庫 も 28-11)有限と微小のパン: The Perfect Outsider (講談社文庫 も 28-11)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-2281b0.html
実は本書も、20年ぶりの再読です。今回は萌絵の暴走もなく、真賀田四季に振り回されていました。一緒に旅行した女子大生が、結構活躍しています。
読了日:09月30日 著者:森 博嗣


笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE: Mathematical Goodbye (講談社文庫 も 28-3)笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE: Mathematical Goodbye (講談社文庫 も 28-3)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-1f3c27.html
これも20年ぶりの再読。前回は中で出てくるクイズに挑戦して解けたのに、今回は無理そうです。
オリオン像の謎については、想定内でした。
読了日:09月29日 著者:森 博嗣


冷たい密室と博士たち: Doctors in Isolated Room (講談社文庫 も 28-2)冷たい密室と博士たち: Doctors in Isolated Room (講談社文庫 も 28-2)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-2a6441.html
最近著者の本を3冊ほど読んだのが契機で、20年ぶりに再読してものです。
犀川先生のヘビースモーカーぶりが、かなり気になりました。萌絵お嬢さんの服に匂いが付くのではないでしょうか。
萌絵から「ヘルプ」が来てからの先生の行動は、カッコ良かったです。
読了日:09月28日 著者:森 博嗣


数奇にして模型 (講談社文庫 も 28-10)数奇にして模型 (講談社文庫 も 28-10)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-726ee6.html
これも20年ぶりの再読です。やはり同じような感想を持ちました。犯人が許せません。
そして、金子君がいいですね。
読了日:09月28日 著者:森 博嗣


封印再度 (講談社文庫 も 28-5)封印再度 (講談社文庫 も 28-5)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-f7ce98.html
20年ぶりの再読ですが、感じたことはさほど変わっていません。
「死」を前提として受け継がれる「箱」と「鍵」。やはり当事者は怖いでしょう。そして、それに反発した新しい当主の気持ちがよくわかります。
読了日:09月26日 著者:森 博嗣


モダンタイムス(下) 新装版 (講談社文庫 い 111-9)モダンタイムス(下) 新装版 (講談社文庫 い 111-9)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-693c99.html
本書を通して、著者が本当に伝えたかったのは何なだったのでしょうか?
【魔王】の時は素直に「怖いな」と思えたのでしたが、今回は上下巻と長い故か、話がこんがらがって理解しにくかったです。
読了日:09月24日 著者:伊坂 幸太郎


モダンタイムス(上) 新装版 (講談社文庫 い 111-8)モダンタイムス(上) 新装版 (講談社文庫 い 111-8)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-238d85.html
【魔王】から半世紀後の世界を描いています。著者は、何を暗示しようとなさっているのでしょうか?
読了日:09月22日 著者:伊坂 幸太郎


滅私(新潮文庫)滅私(新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-543ec7.html
冴津は極端に何も持たない「ミニマリスト」で、外で貰ったものは帰宅し次第捨てています。そしてミニマルな暮らしを啓発することを仕事にしていて、その仲間たちとの交流もあるのですが……。
彼が自分の暮らしに矛盾を感じ始めてからが、面白かったです。
読了日:09月20日 著者:羽田圭介


いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-125f3f.html
再読での気づきも少しありました。
このあと何故リバウンドなさったのか、不思議です。今は、この「書くダイエット」そのものも否定していらっしゃるとか。
読了日:09月20日 著者:岡田 斗司夫


影踏み (祥伝社文庫 よ 5-1)影踏み (祥伝社文庫 よ 5-1)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-a1e76f.html
再読
今回の方が辛かったです。最期はほのかな希望が持てますが……。
読了日:09月16日 著者:横山 秀夫


新版 お金の減らし方 (SB新書 657)新版 お金の減らし方 (SB新書 657)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-26c97b.html
「ギャンブルはお金を減らすのに最適」だといった言葉が刺さります。
読了日:09月14日 著者:森 博嗣


「手帳ブログ」のススメ: 日々の記録から成功を引き出すブログ術「手帳ブログ」のススメ: 日々の記録から成功を引き出すブログ術感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-078d56.html
前回は本が届いた日に書いたので、読後感ではなかったのです。ブログを始めて20年経ち、あらためて自分なりのスタイルを見つけていこうと思います。
読了日:09月11日 著者:大橋 悦夫


警察庁から来た男 (ハルキ文庫 さ 9-3)警察庁から来た男 (ハルキ文庫 さ 9-3)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-0260d8.html
道警シリーズ第二弾。佐伯と津久井は、別々に同じ事件を追っていきます。それらが合わさったとき判った事実は、信じられないものでした。こんなことが実際にあったら、本当に怖いです。
まさに一気読み、一日で読んでしまいました。
読了日:09月10日 著者:佐々木 譲


奪還の日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と)奪還の日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-ab739b.html
一ノ瀬が捜査一課へ上がって、一年。その間、登場人物たちに、色々動きがありました。刑事として、随分成長しました。
また今回は、福島へ移った城田も、捜査に参加しています。
伝説の人として鳴沢の名前が出てきて、ビックリしたり嬉しかったり。
読了日:09月04日 著者:堂場瞬一 著


ほぼ日手帳公式ガイドブック2025ほぼ日手帳公式ガイドブック2025感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/09/post-0a93bd.html
ほぼ日手帳は好きなのですが、方眼のメモリが小さいのがネック。それだけの理由で、買わなくなったのです。
それでも、他人様の手帳の使い方をのぞき見するのは楽しいものです。
読了日:09月02日 著者:

読書メーター

 

| | コメント (0)

2024.09.30

森博嗣【有限と微小のパン】

Photo_20240929214601

講談社文庫
森博嗣/〔著〕
出版社名 講談社
出版年月 2001年11月
ISBNコード 978-4-06-273294-9
(4-06-273294-7)
税込価格 1,430円

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。

 

レビューは残していないが、本書も20年ぶりの再読。

内容はまったく覚えていないのだが、一番肝心なオチだけは印象に残っている。
真賀田四季の正体(あるいは世を忍ぶ仮の姿?)が「隣のおばちゃん」だったことに衝撃を受けたのだった。

それが頭にあるものだから、「彼女はその場所にいるのね」という思いが常に去来していたことは間違いない。
「天才プログラマー」とか「青い瞳」とか言っても、その天才が団地の片隅で小さな机を前に犀川たちを翻弄している図には、何だかガッカリしてしまうのだ。

 

もう一点、今回は萌絵の暴走もなく、3人の女子大生の旅行としてみると、それなりに楽しい。

だがテーマパークの社長の計画は、いかにお金があるとはいえ、感心したものでは無い。
これは、自分的には本書のマイナス点だった。

 

もう一つ

本書出版当時は夢の話だったこと――例えばVR(ヴァーチャルリアリティ)など――も、今ではほぼ実現している。
だからその説明語なども、さして難しいと思わずに理解できた。

この四半世紀のパソコン関連の進化は、まことに著しい。

まだ書いてないものもあるが、本書で一応「S&Mシリーズ」は終わりになる。

 

| | コメント (0)

2024.09.29

森博嗣「S&Mシリーズ」

20150928-124930

読書メーターで度々挙がってきたのを契機に、「S&Mシリーズ」を読み返している。

20年経っても、読後感があまり変わらないというのが不思議な気もするが。

最近のレビューを読んでいて、ヒロインの萌絵に対する嫌悪感を示す人が多いのに、妙に納得する。
特に【封印再度】でのあの嘘への拒否感は、ほぼすべての人に共通するのではないか?

犀川先生
こんな子と結婚したら、多分一生振り回されそう。

 

それとは別に、前回はあまり感じなかったことだが、「パソ通」でのメールのやりとりや「ニフティサーブ」が懐かしかった。
電話回線だというのも、時代を表している。

そう、「ピーコ ピピピピー」と繋がって、「オーパイ」(オートパイロット)でデータを受け取ると、慌てて回線を切断してオフ状態で読んでいた。
繋がったときに「新しいメールが届いています」というアナウンスのあるのが嬉しかったなぁ。

「ニフティサーブ」は、最後までパソ通を残していてくれたっけ。

 

画像は8年前の9月28日。堺の施設の屋上から。御陵が見える。

 

| | コメント (0)

2024.09.28

森博嗣【数奇にして模型】

Photo_20240927235201

講談社文庫
森博嗣/〔著〕
出版社名 講談社
出版年月 2001年7月
ISBNコード 978-4-06-273194-2
(4-06-273194-0)
税込価格 1,210円

複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

 

 

今回は登場人物が多くて、やや複雑。

萌絵の従兄弟大御坊からの依頼で模型イベントのコスプレをした萌絵だったが、そこへ犀川登場。
萌絵の衣装を必死で隠す、従兄弟と喜多助教授がおかしかった。
喜多は、小澤征悦が重なって困った。

前回も書いているが、今回同じ犀川ゼミの同級生金子が非常に好ましい。まさしくナイトだ。
それに引き比べ、犯人の何と卑劣なことか。

しかし20年経っても、同じことしか思わないとは……。

この表紙絵は、やはり好きでないなぁ。

 

関連記事

◆森博嗣【数奇にして模型】(04.12.23)

 

| | コメント (0)

2024.09.26

森博嗣【封印再度】

Photo_20240925220901

講談社文庫
森博嗣/〔著〕
出版社名 講談社
出版年月 2000年3月
ISBNコード 978-4-06-264799-1
(4-06-264799-0)
税込価格 1,100円

50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。

 

これも、20年ぶりの再読。

タイトルは「誰(何?)が入っているの?」そして「それは再び封印された」。まさにその通りで、この辺のトリックについては朧気に覚えている。
扉が閉まっている、あるいは開かない「不思議」にしても、自然現象で種明かしされればその通りだ。

 

読み直してみて、最初の時とさほど違わぬ感想しか抱いていないので、今回は新登場の人物について。

儀同世津子という雑誌記者。彼女は犀川を「創平」と呼ぶ。たしか義理の兄妹だったのでは。
そしてこの世津子の家の隣に住んでいるのが……。だったような……。

 

しかし、「死」を前提として受け継がれる「箱」と「鍵」。やはり当事者は怖いだろうな。
そしてそれに反発した、新しい当主。気持ちがよくわかる。

 

関連記事

◆森博嗣「封印再度」(04.04.29)

◆森博嗣「封印再度」(04.07.06)

| | コメント (0)

より以前の記事一覧