2017.07.21

三浦しをん【政と源】

政と源

政と源三浦 しをん 著
税込価格: 637円
出版 : 集英社
ISBN :978-4-08-680135-5
発行年月 :2017/06/22
利用対象 : 一般

東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子、徹平の様子がおかしい。どうやら昔の不良仲間にゆすられたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが−。【「TRC MARC」の商品解説】

タイトルからして時代物かと思ったのだが、東京下町の話だった。

冒頭「」は、まずは登場人物紹介。
一流大学を出て銀行に就職し、リタイアした途端妻は娘のところへ去ってしまった、有田国政。
小学校を出てすぐつまみ簪職人になった、堀源二郎。

70歳を過ぎても、何故このふたりは仲が良いのか。
この二人に、源の弟子の吉岡徹平とその恋人美容師マミが絡む。

舞台は東京墨田区。
源は、空襲で母や弟妹、家を亡くしている。夢でうなされているのを、泊まった政は目撃する。


徹平がチンピラだった頃の仲間がやってきて、政と源が追い払ったり、なかなか勇ましい出だしである。


「幼なじみ無線」

幼なじみというのは、無線で繋がっているのか。
政が突然ぎっくり腰になったのを、源が訪ねてきて発見。「無線」が通じたのか。
介抱のため泊まり込んでくれるのが、有りがたくもありやや迷惑でもあり。

徹平に慕われる源をうらやんで嫉妬する政がかわいい。
この政は、内館牧子【終わった人】と同じように大学を出て銀行に就職し、がむしゃらに働いてきた。
妻に愛想づかしをされて一人暮らしだ。

しかし彼には、友だちがいる。
「終わった人」でも、結局は故郷の高校時代の同級生に救われる。


「象を見た日」

徹平は昔チンピラだった名残か、かなり派手な格好をしている。
言葉遣いは丁寧だし、その描写があるまで普通(?)の服装かと思っていた。

それはともかく、まだ20歳なのに恋人のマミの家へ結婚したいと言いにいって、父親からぼろくそに言われる。
認めて貰うにはちゃんと仕事が出来ることを示さねばならない。
師匠から習った簪だけでなく、自分がデザインしたアクセサリーを作ることで、少し自信を持つようになるが。


各短編とも、東京下町の庶民の哀感が描かれていて楽しい。

最後の、政と妻とのやりとりもしんみりとさせてくれた。


政と源
Kindle価格:594円
honto価格:594円


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2017.07.20

松苗あけみ【猫もえ!】

タイトル猫もえ!

猫もえ!松苗 あけみ 著
税込価格:
出版 : ぶんか社
ISBN : 978-4-8211-7059-3
発行年月 : 2015/04/23
利用対象 : 一般

夫と12匹の猫たちとの共同生活は毎日が笑いと刺激でいっぱい!猫のために一軒家まで建てた! 

最近、RSSリーダーから流れてくるブログの更新が少ない。
比較的最近登録したところ(ミニマリスト系が多い)を見直して、今は昔なじみのブログが多い。
ところが、皆さんなかなか更新なさらないので、昨日など午前中には殆ど動きがなかった。
パソコンを替えた方は、うまく投稿出来ないのだろうか?気になっている。

ミニマリスト系の幾つかを切ったのは、いつかも書いたが本を出してお互い褒め合っているようなのがあまり好きになれなかったから。
勿論、内容が気に入っているところは、参考になることが多いし訪問している。


それはともかく、本書である。「Kindle日替わりセール」で299円だったので、迷わずポチッ。
猫のために一軒家まで建てたなんて、楽しそう!

紙本は既に古書でしか無いようで、たった2年でそうなるのか?出版多すぎ!というのは於いて、まぁまぁ面白かった。

それぞれの短編(?)も、「猫バカ」から始まって、「猫コロッケ」だとか「猫ブサ」「猫もふ」などと続く。
「猫別れ」というのもあって、これは切ないのかな?

などとチラッと思いつつ、あっという間に読了(?)。


12匹全部に名前がついていて、みんな抱っこされたがる。
よく似た風貌なので、名前を覚えきれない。

唯一不満は、西洋猫が殆どで、和猫は男の子1匹だけという点だった。
やっぱり、日本猫が好きだなぁ。と、あらためて認識したことだった。


余談だが(いや本題?)、コミックはiPadminiでは苦しい。大きな画面で見たいなぁ。


猫もえ!
Kindle価格:299円
honto価格:648円


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2017.07.19

読書メーター 再び

2

2月に読書メーターを再開してから、過去のレビューをボチボチと書き込んできた。
ようやく、それが終わった。

今は時々書く現在のレビューを登録している。
現在、読んだ本は1083冊ということになっている。これはレビューを書いたものだけだから、実際にはこれの倍くらいは読んでいるだろう。


登録したのが2008年10月で、まもなく使わなくなっている。
ブログを始めたのが2004年4月1日だから、単純計算で一ヶ月6冊くらいにしかならない。
書かなかったものを含めると、3日に1冊くらいになるだろうか?


昨日はお昼頃急な雷雨で、その時点では少し涼しくなった。
しかし午後は相変わらずの暑さだった。

東京では、雹が降ったとか!


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2017.07.18

内館牧子【終わった人】

終わった人

終わった人内館 牧子 著
税込価格: 1,728円
出版 : 講談社
ISBN : 978-4-06-219735-9
発行年月 :2015/09/17
利用対象 : 一般

仕事一筋だった田代壮介は定年を迎えて途方に暮れた。「まだ俺は成仏していない」と職探しをするが…。生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?【「TRC MARC」の商品解説】

「身につまされる」といったレビューがあったが、何とも往生際の悪い男だ。
「東大法科卒・メガバンクに就職した」がどうしても頭から離れない。
ジムで同じようなジジババたちとも打ち解けない。どこか彼らをバカにしている。


勉強なら何とかなるかと思って東大大学院を受けるためにカルチャースクールに通うも、本当にしたいことではないような気がする。

もっともそこの受付にいた女性に、同じ東北出身というのもあって接近していく。
この女の子がなかなか強かで、近づいたかと想うと距離を開け、また連絡してくる。


その内、ジムに通っていたさわやかな若者に声をかけられ、その会社で顧問として働くことになるのだが……。


こういう定年じいさんは、実に多い。
どうしてもキャリアを出したくて、次のステップで無心になれない。
主婦が日常の中で自分らしさを活かせる場所を獲得していくのとは違い、どこへ行ってもなじめないのだろう。
「ボランティアなんて自分のしてきたことに比べたら……」とか「こんなジムなどは自分のいるところではない」といった上から目線が消せないのだろう。

荘介の場合は、お嬢さま育ちの妻が技能を身につけて生き生きとしているのを容認しているだけマシかもしれないが。


7月13日付の「いすみ鉄道 社長ブログ」

会社で働く以外に収入の道が無い人たちは労働者であり、労働者というのは決して中流ではない
という言葉があった。

この言葉を、宗佑に聞かせたい。


しかし、同窓会で盛岡へ行ってからの展開は良い。
鎧を捨てて、素の自分に戻り、現状を級友に話す。

そしてその後、東京へ戻ってから身の振り方を考える。

娘道子と、妻千種のいとこトシの存在が救いになっている。


終わった人
Kindle価格:1,404円
honto価格:1,404円


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2017.07.17

近藤史恵【シャルロットの憂鬱】

シャルロットの憂鬱

シャルロットの憂鬱近藤 史恵 著
税込価格:1,188円
出版 : 光文社
ISBN : 978-4-334-91127-0
発行年月 : 2016/10/28
利用対象 : 一般

シャルロットは雌のジャーマンシェパード。警察犬を早く引退し、4歳で池上家にやってきた。はじめて犬と暮らす共働きの夫妻にとって、賢くて聞き分けがよく、少し甘えん坊のシャルロットとの日々はとても新鮮。

シャルロットの新しい主人は、不妊治療に疲れた池上夫婦。

6つの短編からなっているが、犬を通じた飼い主どうしの交流の中、ちょっとした事件が起きる。
それを解決するのが浩輔で、わたしこと真澄はワトソン的役回り。


表題作の【シャルロットの憂鬱】は、犬でも元の職場をあまり思い出したくないという、ちょっとユーモラスな設定だった。
それにしても、色々な事情を知っている人物が犯罪に関わると、厄介なことになる。

【シャルロットの友達】
幼い女の子の友だちが出来たシャルロットだったが。
チワワの凶暴性は、解決出来ているのかな?


【シャルロットと猫の集会】と【シャルロットのお留守番】も、どちらも子どもが関係している。
犬好きの子どもは多いし、犬も子どもが好きだ。


【シャルロットと猛犬】
これはかなり怖い話だ。実際にこんなことをする人がいると思いたくないが、子どもと犬をふたり(?)だけでおいてはいけない。


【シャルロットとボーイフレンド】
読んだときはふんふんと思ったのだろうが、ちょっと時間が経つと内容を忘れてしまった。


著者の名前に記憶があるが、読んだことあったっけ?
アンソロジーで幾つか読んでいたのだった。【エール! お仕事小説】の中だとか、【和菓子のアンソロジー】だとか。


シャルロットの憂鬱


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2017.07.15

堂場瞬一【検証捜査】

検証捜査

検証捜査堂場 瞬一 著
税込価格: 1,365円
出版 : PHP研究所
ISBN : 978-4-569-70039-7
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

左遷中の神谷警部補に本庁刑事部長から特命が下る。その内容は、連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した神奈川県警を捜査すること。チームが編成され、検証を進めるうち、県警のずさんな捜査ぶりが浮かび上がり…。【「TRC MARC」の商品解説】

最後にはいつものように「この小説はフィクションであり、実在の個人・団体云々」とあるが、ここまで実在の警察署名を挙げての描写はどうなのだろう?

たしか織田裕二主演のドラマでも、警視庁対神奈川県警という構図があったような気がするが……。
横山秀夫の小説では、モデルはあるのだろうが架空県になっている。


というのはともかく、実際には警視庁も神奈川県警も腐敗しているという印象。

各県警(府警)から寄せ集められて既に終わった捜査の「検証」をするという話。実際に存在するのだろうか?
仲村トオル主演でドラマ放映という記事を読んで、こんな本もあったのかと読んでみた。


著者の描く女性刑事や探偵は、とにかくとんがっている。
その中でも、本書の凜は特別ではないか。

彼女が抱えている「闇」というのは、女性ならほぼ検討がつくように思う。


永井が入院したあと、神谷が暴走して島へ返され、凜が訪ねてきた辺りから、「チーム」としてまとまっていくのが急展開な感もあるが。

これ以降の凜の態度は、可愛らしくもある。


しかし、最後(犯人が判ってから)は後味の悪いものになった。


「何々捜査」というシリーズもあるようだが、登場人物は一話ずつ違うようだ。


検証捜査
Kindle価格:710円


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2017.07.12

コリン・デクスター【死者たちの礼拝】

死者たちの礼拝

死者たちの礼拝コリン・デクスター 著
税込価格: 832円
出版 : 早川書房
紙本絶版
発行年月 :2015/09/30
利用対象 : 一般

教会の礼拝の最中に信者が刺殺され、つづいて礼拝をとりおこなった牧師も謎の死を遂げた。神聖な教会にはいったい何が潜んでいるのか?

オックスフォード運河の殺人(17.05.27)ほど大昔(?)ではないが、休暇中に、一件落着した事件をほじくり返すモース。
結局休暇は途中で返上して、事件解決に携わることになる。

付き合わされるルイスも、実は根っからの捜査好き。

イギリスの教会のことなどをよく知っていれば、もっと楽しめたかもしれない。

「見間違え」が一つのヒントになっている。
これは、遠くから見たというだけではない。目の前で見ていても気づかないことも。
最初の方でモースが劇の登場人物(下手な役者)を見抜けなかったように。

急な階段を上らなければならない塔の上や、これまた梯子を下りていく埋葬地など、物理的なハードルも多い。


モースが実際のお相手を見つけたのは、始めてではなかっ
たかな?

死者たちの礼拝
Kindle価格:810円


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2017.07.10

ルナール【にんじん】

にんじん光文社古典新訳文庫

にんじんルナール 著
税込価格: 778円
出版 : 光文社
ISBN : 978-4-334-75351-1
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

赤茶けた髪とそばかすだらけの肌で「にんじん」と呼ばれる少年は、母親や兄姉から心ない仕打ちを受けている。それにもめげず、自分と向き合ったりユーモアを発揮したりしながら、少年は成長し…。著者の自伝的小説。【「TRC MARC」の商品解説】

先日大竹しのぶさん が舞台で何十年ぶりかで「にんじん」を演ると知って、懐かしくなって読み返してみた。

こんな話だったかなぁ。

当時も、そして今も、ルビック夫人はなぜそこまで「にんじん」を疎外(?)するのか理解出来ない。

「じゃあ、私があの女を愛しているとでも思うのか?」苛立ったルビック氏は投げやりにいい返した。

これは覚えている。何だかホッとしたから。


にんじん


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2017.07.09

梶山三郎【トヨトミの野望】

トヨトミの野望

トヨトミの野望梶山 三郎 著
税込価格: 1,365円
出版 : PHP研究所
ISBN : 978-4-569-70039-7
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

“日本の救世主”は、ハズレ社員だった。創業家vs.左遷サラリーマン!血が勝つか、汗が勝つか―気鋭の経済記者が覆面作家となって挑むメディア禁制・28兆円のタブー!!


豊田章男が愛したテストドライバー(17.07.05)のすぐ後で読んだものだから、ショックの方が大きかった。


この小説のモデルについては、かなり詳細に判る。
中には一人ではなく、二人くらいを合わせた人物というのもある。

成瀬弘も登場し、『運転のことも分からない人に、クルマのことをああだこうだと言われたくない』といったセリフもある。
しかしどちらかというと、トヨトミジュニア(後の社長)を道楽的に、冷ややかに見ていた印象の方が強い。


「そして公聴会へ」以降は、一気に終盤へともっていく。
それにしても、ここまで対立させて置いて、最後の落としどころは見事である。

もう少し、印象を書いておきたいのだが……。


トヨトミの野望


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2017.07.08

内田康夫【他殺の効用】

他殺の効用

他殺の効用内田 康夫 著
税込価格:637円
出版:中央公論新社
ISBN:978-4-12-205506-3
発行年月:2011.7
利用対象:一般

生命保険加入丸一年まで、わずか二日を残し会社社長が自殺した。当然保険金は支払われない。自殺のはずがないと、調査を依頼しに来た会社重役の話に、疑念を抱いた浅見光彦は、事件解明に乗り出すが、そこには驚きの真相が…!?【「BOOK」データベースの商品解説】より

タイトルには覚えがあるが、中身はさっぱり思い出せない。
仕方なく(?)、再読。

短編集で、全部に浅見光彦が登場するわけではない。


標題の【他殺の効用】は、読んでいる内に思い出した。

警視庁の天才が組み立てた、その名も「ゼニガタ」という名のロボットが登場。
しかしそれ以外の登場人物や肩書きも、人を喰ったようなものだ。


短編ばかりなので、比較的起承転結がはっきりしていて、解りやすい。
もっとも、このままでは道義的にどうなのよ、というのもあるが、そうでないとあまりにも登場人物が救われない?いや、被害者はもっと救われないが……。

他殺の効用
Kindle版:500円
honto価格:540円


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