2019.09.15

米澤穂信【愚者のエンドロール】

Photo_20190914095401

価格:605円
カテゴリ:一般
発売日:2002/07/31
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
サイズ:15cm/254p
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-427102-2

古典部のメンバーが先輩から見せられた自主制作のビデオ映画は、廃屋の密室で起きたショッキングな殺人シーンで途切れていた。
犯人は? その方法は? 結末探しに乗り出したメンバーが辿り着いた、映像に隠された真意とは――。【商品解説】

きれいな表紙だな。

【氷菓】の次の本。つまり古典部シリーズの二冊目のようだ。
前作と同じく短編集かと思ったが、ちがった。

神山高校伝統の文化祭に、二年生のあるクラスがビデオ映画を出し物にするという。
しかし途中で脚本担当者が倒れ、結末が未定。

そこで、どこかで相談されて古典部の面々が駆り出されることになる。

結果的には奉太郎たちは影の影に踊らされていたのだが。

「愚者」とは、タロットゲームでの千反田のこと。

途中、地球の果てを放浪している姉から手紙が届く。奉太郎は、父宛になっていたのであまり気にとめなかったが……。実はある意味、これが伏線でもあった。
こんなところにまで、姉の影響力が及んでいたとは。

最終場面(チャットのログ?)、「L」はまさに彼女の名前だ。
彼女と奉太郎は、こんな形での会話もあったのか?
何だか違和感!

「女帝」こと折須の言葉遣いが楽しい。

 

| | コメント (0)

2019.09.10

【追悼ディープインパクト】

51swsfro9al_sx351_bo1204203200_価格:1000円
雑誌: 100ページ
出版社: サンケイスポーツ/週刊Gallop (2019/8/28)
言語: 日本語
ASIN: B07VRFYL1Q
発売日: 2019/8/28

7月30日に急逝した無敗の3冠馬ディープインパクトの偉業を称え、現役、そして種牡馬時代の功績を完全網羅。 〝史上最強馬〟のすべてを収録した永久保存版

関係者のコメントを中心に、ディープを偲ぶ。
グラビア集のような作りで、動画もいいが、雪と戯れる姿や水浴びなど 、一つ一つの表情が分かるのも見ていて楽しい。

調教中も、そのやり方でレースが近いことを悟っていたという。
馬って、賢いんだな。

『騎手として最高でした』という武豊の一言が、この馬の素晴らしさを語っている。

 

| | コメント (0)

2019.09.09

アンソロジー【捨てる】

Photo_20190902162901

価格:767円
カテゴリ:一般
発売日:2018/10/06
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
サイズ:16cm/319p
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-791161-4

夢も目標も捨てるのは簡単よ。現実を捨てるのに比べたらね−。あなたの捨てたいものは、何ですか? ミステリーからファンタジー、恋愛、ホラーまで、人気女性作家の書き下ろしによる9つの「捨てる」物語。【「TRC MARC」の商品解説】

大崎梢【箱の中身は】

小さな女の子が一人、夕暮れの公園のベンチで大事そうに持っていた箱の中身は?
それが捨てられない理由とは?

ほんわかとした気持ちになれた一作。
カイ君に会えればいいね。

松村比呂美【蜜線】

これほど身勝手な姑というのも、珍しいのではないかな。
自分のわがままのために息子が自死したというのに、こんどはその家を狙っているのだから。
しかし、先物取引というのは恐ろしいなぁ。それそのものよりも、一回うまくいったことの記憶のみ残ることが。
まぁ、ギャンブルも同じことか。一度勝てばその味を忘れられず、負けても挽回するまで続けるという麻薬的恐ろしさ。

いや、もっと怖かったのが、主人公のウツボカズラの捨て方だったが。

 

福田和代【捨ててもいですか?】

祖母が亡くなって一人暮らしだった祖父も亡くなった。
その祖父の遺品整理をしていて出てきた、ブリキの箱に入ったもの。
これは「捨ててもいいですか?」だ。これを巡って、母・当人・その弟がちょっとしたドタバタを繰り広げる。

最後は当人と恋人の関係進展もあって、ほのぼのと終わっていた。
それにしても「そのもの」。「捨ててもいい」にはならないだろう。

 

篠田真由美【forget me not】

これもまた、遺品整理の話。
父が早く亡くなり、母も死んで実家の後片付けを一人でしている娘。
子どもの頃のものから父親の趣味の道具まで、全部きっちりと残されていたのに、肝心の母親のものはほとんどなかった。

とおもいきや、この母親は、死してなお自分を娘に押しつけたかったのか。
なんだか執念を感じて、怖い。この壺を持っている限り、母親の呪縛から逃れられないのではないか。

 

光原百合の【四つの掌編】では、【戻る人形】が怖かった。捨てるって、むずかしいね。

光原百合は、【時計を忘れて森へいこう】で好きになり、【扉守】や【遠い約束】など読んできたが、いずれも記事にはしていなかったようだ。

 

新津きよみ【お守り】

祖母の作ってくれたお守りの効能やいかに。

 

永嶋恵美【ババ抜き】

気心のしれた三人組。実は腹の探りあいで、殺意まであるとは。
この「私」が、しれっとしていて怖すぎる。

 

近藤史恵【幸せのお手本】

幸せのお手本だった祖母にも、辛い過去があった。
それにしても、ここまで主人公を痛めつけなくてもいいのに。

 

柴田よしき【花子さんと、捨てられた白い花の冒険】

これは知ってる話だ。夏樹静子の短編で読んだような気がする。【花を捨てる女】だったかな?
登場人物は二軍の野球選手夫婦だったりで設定は違うが、被害者の状況は、花を捨てるということからして全く同じだ。。
こんなのありか?

もしかしたら自分の勘違いで、どこかでこれを読んでいたのかもしれないが……。

 

で、このアンソロジーだが、「アミの会(仮)」という女性作家の集まりがあって、みんなでアンソロジーを出そうという話になったとか。
本書が一番目で、次は【毒殺協奏曲】という怖いタイトルの短編集。
有栖川有栖、小林泰三といった男性作家も登場する。
こちらも、楽しみ。

 

| | コメント (0)

2019.09.07

竹岡葉月【谷中びんづめカフェ竹善】

Photo_20190901123801 価格:637円
カテゴリ:一般
発売日:2019/05/17
出版社: 集英社
レーベル: 集英社オレンジ文庫
サイズ:15cm/271p
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-680253-6

コミュ障女子大生が「保存食専門カフェ」を営む英国人店主とその息子と織りなす、ほっこりおいしい人情ストーリー!

中編二つと短編一つ。

【おいしいベランダ。】シリーズの作者によるもの。

【瓶詰めという名のソリューション~猫の肉球を添えて~】

登場人物たちが個性的で面白い。
子どもの頃から人付き合いが苦手な、主人公紬。
宗教画に描かれているようなカフェのオーナー、セドリック。
かわいげのない彼の息子、竹流。
もっとかわいげのない、はちわれのネコ。野良だったのがセドリックの店に居着くようになり、「ねこ太郎」という名前まで頂戴している。

もっともっと個性的なのが、一見やくざ風、しかし東大卒のキャリア虎太郎。

紬が手仕事が好き、というのが次の話でのキーワードになる。

【腐敗と熟成と発酵の違いを述べよ。ただし個人の事情は含まないものとする】
電書では初出がわからないが、本書も中編小説として別々に公開されていたのだろう。
大学での友だち二人は印象ではなく名前で登場している。
店の説明がついているのも、短編集ではおなじみだ。さほどしつこくないのでがまん出来るが。


上手に付き合えば熟成できるものが、下手をして細菌を入れてしまうと、腐敗してしまう。
これは食べ物だけでなく、人間関係でも言えることだろう。

思いがけない、いやある程度予測の付く話の展開で、紬と竹流との距離も縮まったようだ。

【菱田家のたからもの】

菱田セドリックの亡くなった妻笑子さんが残したのは……

まだ松の内のお店。「準備中」の札を掛けたままで、その笑子さんの残したものを開けた三人だったが。
この日の竹流は、いやに素直だった。

そして、セドリックと紬。二人の仲は……。

 

| | コメント (0)

2019.09.05

石持浅味海【パレードの明暗】

29657799_1tl

価格:626円
カテゴリ:一般
発売日:2019/05/14
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
サイズ:16cm/254p
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-77844-6

羽田空港の保安検査場に勤務する南谷結月は、日々の仕事に不満を感じていた。ある日、結月は、雲の上の人である大迫警視長と、その友人の民間人・座間味くんに出会い…。【「TRC MARC」の商品解説】

座間味君シリーズの、最新版。

やはり、巻ごとに警視正と「彼」(座間味君)に同席する登場人物は違うようだ。

【女性警察官の嗅覚】

しかし、子どもの安全は承知していたとしても、旦那の手柄にまで頭が廻っただろうか?

【少女のために】
少女が新しい環境で、無事に育ってくれますように。

あとは表題作の【パレードの明暗】と
【アトリエのある家】
【お見合い大作戦】
【キルト地のバッグ】
【F1に乗ったレミング】

「雲の上の人」「優しい目」「背筋が伸びて」といった言葉も毎回出てくるし、みんな同じ展開で、あまり面白くなかった。

このシリーズは、これでいいかな。

 

| | コメント (0)

2019.09.03

原田マハ【リーチ先生】

Photo_20190830204601 価格:950円
カテゴリ:一般
発売日:2019/06/21
出版社: 集英社
レーベル: 集英社文庫
サイズ:16cm/597p
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-745885-5

日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。

プロローグから、一気に読ませる。
時は1954年。
高市がリーチと出会ってその影響を受けるところから始まる。
高市が沖亀之助の子だと知ったときの、リーチの驚き。

そこから1909年に遡り、高市の父がリーチと出会った頃に話は移る。
高市の父亀之助は、幼くして両親を亡くし、食堂を営む叔父の家で手伝いをしながら暮らしていた。
見よう見まねで、英語を操ることも出来る。

ある日一人の客が訪れたことで、亀之助の運命は変わる。
そのひと高村光太郎は英国へ留学する前だったが、留守中に自分の家を訪ねるよう、亀之助に言い残していた。

そして単身上京した亀之助は、柳宗悦や志賀直哉たち白樺派の文人とも交わって、大きく成長する。
やがて渡英した彼は、彼の地で忘れられない人とも出会ったが……。

もし二人が結ばれていたら、高市はこの世になかった。

後年、成功した高市が渡英したとき、彼の地でその人と巡り会うことになるのだが……。

大分県日田の小鹿田の描写がすばらしかった。

 

| | コメント (0)

2019.09.01

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:4057
ナイス数:724

玩具店の英雄: 座間味くんの推理 (光文社文庫)玩具店の英雄: 座間味くんの推理 (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-ba43a5.html
読了日:08月29日 著者:石持 浅海
亜愛一郎の狼狽 (角川文庫 (5735))亜愛一郎の狼狽 (角川文庫 (5735))感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-7f8a62.html
読了日:08月26日 著者:泡坂 妻夫
探偵は今夜も憂鬱 (創元推理文庫)探偵は今夜も憂鬱 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-7b45d3.html
読了日:08月21日 著者:樋口 有介
氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-bd0803.html
読了日:08月21日 著者:米澤 穂信
日曜の午後はミステリ作家とお茶を (創元推理文庫)日曜の午後はミステリ作家とお茶を (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-00cd3e.html
読了日:08月18日 著者:ロバート・ロプレスティ
狐火の家 (角川文庫)狐火の家 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-c6433f.html
読了日:08月16日 著者:貴志 祐介
図解すごいメモ。図解すごいメモ。感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-fe13e4.html
読了日:08月13日 著者:小西 利行
東西ミステリーベスト100 (文春文庫)東西ミステリーベスト100 (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-bc0861.html
読了日:08月13日 著者:
風少女 (創元推理文庫)風少女 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-c91a17.html
読了日:08月11日 著者:樋口 有介
退職刑事〈3〉 (創元推理文庫)退職刑事〈3〉 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-11bf77.html
読了日:08月07日 著者:都筑 道夫
くちびるに歌を (小学館文庫)くちびるに歌を (小学館文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-9194b8.html
読了日:08月05日 著者:中田 永一
イーハトーブの幽霊-新装版 (中公文庫)イーハトーブの幽霊-新装版 (中公文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-0a735f.html
読了日:08月04日 著者:内田 康夫
営業零課接待班 (講談社文庫)営業零課接待班 (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/08/post-8f56e3.html
読了日:08月02日 著者:安藤 祐介

読書メーター

| | コメント (0)

2019.08.24

「書けないだろ、この一行」浅田次郎さんがうなった読書

20180823-093558

「書けないだろ、この一行」浅田次郎さんがうなった読書

浅田さんは一日4時間、年間300冊は本を読むという。

一冊の、精読するための本を求めて、色々な本を乱読する。

そうだなぁ、「この1冊」に巡り会えれば幸せだなぁ。

 

| | コメント (0)

2019.08.23

【探偵は今夜も憂鬱】

02728950_1tl

価格:778円
カテゴリ:一般
発行年月:2006.11
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
サイズ:15cm/304p
利用対象:一般
ISBN:4-488-45903-X

美女に振りまわされつつ、事件調査も生活の糧にしているフリーライターの柚木草平。柚木を憂鬱に、そしてやる気にさせる美女からの三つの依頼。私立探偵シリーズ第三弾。【「BOOK」データベースの商品解説】

そんなはずはないのだが、【風少女】(19.08.12)の亮が中年になったような感じ。
シリーズもので、本作は番外的な中編3編。

【雨の憂鬱】【風の憂鬱】【光の憂鬱】いずれも依頼者は美人という設定。そして柚木は、美女に弱い。

柚木は元警察官である。何故止めたのかは、そのうちシリーズのどれかを読めば判るだろう。と思いながら読んでいたら、途中で登場人物の台詞として出てきた。
その元上司の女性とは、どうやらかなり親しい関係。


【雨の憂鬱】は、彼女が持ち込んだ話だ。
そしてここでは、何とも嫌な美女が登場する。

途中、元部下の警察官も登場して、柚木は彼に花を持たせることが出来そうだ。

【風少女】もそうだったが、権力を持たない探偵が単独でよく調べている。ちょっとした言葉のやりとりなどがヒントになっていて、うまく収束させている。

 

【風の憂鬱】は、行きつけのバーのマダムに紹介されたタレント事務所からの依頼で、女優を探すことに。

彼女のマネージャーというのがまた美人で、だがぶっきらぼうという設定。
殺人事件ではなく人捜しという、柚木には専門外(?)の仕事である。

今回も元上司に助けを求めての調査だが、最終的には柚木としてはすっきり解決とは言えなかった。
だが、いい結末ではなかったなか。タレントも人の子、人の親。
今後、幸せになれるだろう。

 

そして【光の憂鬱】でも、絶世の美女が登場する。
3年前に失踪した夫から手紙が来たという依頼。依頼者が、その美人である外村世伊仔。夫の外村峰夫は、ごくシンプルな生活スタイルの持ち主で、モノに執着しない性格だったという。

だが、結婚するときだけは両親の反対を押し切って婿養子として入った。

こういう一見淡泊な人間は、意外と粘着質なことがある。
今回も、それが顕著に出た例ではないかと思える。

これには、元上司は出てこなかった。その分、柚木の依頼者への思いが強いような……。

このシリーズ、最初から読んでみよう。

 

| | コメント (0)

2019.08.22

蔵書1万冊の温泉宿・入場料とる書店 本、新たな出会い

Back

蔵書1万冊の温泉宿・入場料とる書店 本、新たな出会い

どちらも、心と懐にゆとりがないと無理かな?

でも、両方とも一度は体験してみたい。

有料本屋さんの方は、有料の図書館だと考えたらいいかも。
時間があってゆっくりくつろぎたいときに。でも、こんな遠いところわざわざ行けないけど。

一方のホテルの方はいいなぁ。
のんびり静養出来るような身分になりたいものだ。

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧