2019.05.26

【笑う警官 】

Photo_33 価格:885円
カテゴリ:一般
発売日:2013/09/25
出版社: 角川書店
レーベル: 角川文庫
サイズ:15cm/397p
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-101017-4

反米デモの夜、ストックホルムの市バスで8人が銃殺された。被害者の中には、拳銃を握りしめた殺人捜査課の刑事が。殺人捜査課主任捜査官マルティン・ベックは後輩の死に衝撃を受けた。【「TRC MARC」の商品解説】より

スエーデンの警察ものは初めてだ。
例によって、名前がなかなか覚えられない。

サブタイトルが「刑事マルティン・ベック」とあるので、シリーズものなのだろうか?

マルティン・ベックは、信頼している同僚と一緒に地道な捜査を始める。
ここしばらくは大きな事件もなく暇だったのに、殺された刑事ステンストルムは、同居していた恋人の話によると土曜日も忙しく仕事をしていたという。
彼は何故、拳銃を持ってバスに乗っていたのか?

 

捜査は遅々として進まない。
ステントストルムが何かを掴んでそれを追っていたことは確かなのだが。

 

マルティン・ベックは、笑わない。娘に、『パパは春から笑っていない』と言われてしまう。
その彼が笑う状況になりますように、と願いながら読んだ。

警察官はある程度それぞれについて把握できてくるが、容疑者の方はお手上げだ。29人もの容疑者を、警察はコツコツと調べていく。

終わりの方が物語も一気呵成に進んでいく。こちらも、一気に読んでしまう。
「刑事マルティン・ベック」はシリーズとして面白そうだが、さてどうしようか。

 

翻訳のまずさを指摘する声が多かった。確かに、よく知らないながらも銃の種類など、ちょっと変だなと思うところはあった。

それよりも、『しばらく立ってまた声がした。』というのを見て、日本語が堪能ではないのかなと意地悪なことを思ってしまった。

 

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2019.05.21

本棚の無い家

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必要があって高級住宅を集めたようなカタログを見ていて、本の気配がない家が多いことに気づいたというTweetがあった。

いい家に住んでいても全然本を読まない人がいるということと、本だけは庶民でも一流のものが読めるということ。


これらのTweetに対して、「読んだら捨てる派」だから高級住宅を建てるとしても本は置かないという反論が来ていた。

 

昨今の断捨離ブームで、本はその対象の最たるものといっても過言では無い。
「捨てにくいもの」の筆頭でもあって、そことどう折り合いを付けるかというノウハウもまた出回っている。

 

随分以前だが、友人が新築したときに、書庫を別に設けたのが羨ましかった。

我が家でも家を建てたとき、二階に床補強して本棚を入れた。
担当者が他の人に、「とにかく本が多い家」といったことを仰っていたのが印象に残っている。

 

しかし年は過ぎ、本の処分に悩む昨今である。自分たち夫婦が良しとした本を、残った者が愛してくれるとは限らないから。
件の友人も、そろそろそんな悩みを持つ頃でないかな。


一度旧交を温めたくなった。つれあいが年賀状を止めようかと言ってるので、向こうから来るのを期待するしかない現状だから。

 

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2019.05.20

瀬尾まい子【春、戻る】

Photo_28 価格:555円

      • サイズ:16cm/215p
    • ISBN:978-4-08-745541-0
結婚を控えたさくらの前に、兄と名乗る謎の青年が現れた。明らかに年下の「お兄ちゃん」は、私の結婚にあれこれ口出しを始めて…。【「TRC MARC」の商品解説】より

この「お兄さん」という人、かなりイライラする。
さくらがもっとハッキリとしてくれればいいのに。それどころか、だんだん懐柔(?)されていってる様子だ。


確かに、人なつこくて高齢者には受けがいいのだろう。でも、こんな他人の暮らしの中に(精神面でも実際にも)無神経に入ってこられるのは、苦手だ。

 

ただ、だんだん「お兄ちゃん」の話を聞いていく中で、もしかしてさくらが封印している過去と関係あるのではと思わされるようになる。
このあたりが、著者の思うつぼなのだろうが。

そしてその通り、最後の結婚式には当時縁のあった方も来て下さって……。という展開になった。

 

さくらの婚約者山田さんという人が、実に見上げた「いい人」だ。お兄ちゃんとも、サラッと打ち解けている。
素のままで「いい人」だが、和菓子屋(お兄ちゃんは団子屋と呼ぶ)の仕事に誇りを持っていて、荻原浩【花のさくら通り】の守と似たところがある。

誰に対しても丁寧で、それがやや他人行儀な感もあるが。

 

さくらの封印していた過去は、著者の体験も少しは入っているかもしれないという気もした。

 

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2019.05.17

本多孝好【WILL MOMENT】

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価格:545円

    • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-08-746804-5
人の想いは死んでなお、愛する人によびかける…。18歳の時に両親を亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野。【「TRC MARC」の商品解説】

プロローグでは、森野の両親が事故で亡くなったところから始まっている。
彼女はそのまま、家業の葬儀屋を継ぐ。

4つの出来事を通じて、森野の話し方がぶっきらぼうで面白い。やや、露悪的とも言えるが……。
また、自分の名前が嫌いで、「モリノ(森野)」の「リノ」を愛称にしていた。

両親の時代からいる竹井という社員が、いい味を出している。

もう一人、試用期間中の桑田という音楽かぶれの若者も面白い。

また森野には、同じ商店街の文房具屋の息子で幼なじみで高校時代の同級生でもある  という友人がいる。ニューヨークで翻訳の仕事をしている彼からは、「待っている」と言われている。

 

ACT1は【空に描く】では、50代で亡くなった父親の葬儀を、元高校の同窓生が頼んでくる。
その父親は、母の再婚相手だった。幼かった彼女は新しい父に懐いたが、実父のことを覚えている姉は、父の好意をむしろ避けていた。
母は実父のいい加減さから逃れて、若干22歳の父と再婚していたのだった。

その父親の幽霊が出る。そんな噂が拡がると商売に差し支えると判断した森野は、真相を探り始める。

だが、思いがけないその真実は、なかなか感動的だった。

父が描いた画の中の母親がチュニックを着ているというところで感じた違和感。これが実は伏線だった。

いい話だったな!

 

ACT2【爪痕】は、少々うざったい話だった。
人に内蔵する悪意というのは、ささやかな他人の幸せを看過することが出来ないらしい。

 

ACT3の【想い人】は、「年の差なんて」が一つの話題。

従業員竹井と森野との、神田に関する話題にちょっとホロッとくる。

森野は、いつまで彼との間をこのままにしておくのだろうか?

 

ACT4【空に描く(REPRISE)は、エピローグも兼ねて再び元同窓生の話。母親が鬱状態になっているとの相談。
真相は、意外なところにあった。

そして、森野自身も結論を迫られる。

最後に、森野の名前が出てくる。
なるほど、気持ちは解るが、良い名前ではないか!これからは、名前らしく生きていくことだろう。

 

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2019.05.14

佐川光晴【おれたちの青空】

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価格:540円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2013/12/11

父親が服役中の陽介、虐待の記憶に苦しむスポーツ万能の卓也。札幌の児童養護施設に暮らす彼らは、高校進学を前に、将来を見据えてそれぞれの選択を下す…。【「TRC MARC」の商品解説】

【おれのおばさん】(19.05.20)の続編だというから、中学卒業までを描いているのかと思ったが、若干はずれた。

二つの中編と一つの短編からなっており、表題作の【おれたちの青空】はむしろ短編で、前作の続きを描いてある。

陽介は仙台の全寮制男子校に推薦で入学が決まった。
卓也もスポーツ枠推薦で、青森の強豪校へ進む。
あとの三人はそれぞれ農業高校への進学が決まっている。この三人にとって、奄美大島での体験と自信は、非常に大きかった。

ただ一人公立校を目指すは卒業後の発表待ちだが、これも問題ないだろう。

本書の最後で、恵子おばさんは芝居へ復帰することを宣言する。
だがそれについては、既に本書の中で解決済みだ。

その残りの中編二作だが、

【小石のように】では、卓也の生い立ちが明らかにされる。

魴鮄舎では他の子どもたちの過去には、触れない。
しかし卓也は、陽介に自分の過去を話してくれるよう、竹田さんに頼んでいた。
親に二度捨てられた過去を持つ卓也は、しかし恵まれた身体と運動神経のおかげで、いや無論恵子おばさんや当初から関わってくれた保護司の慈しみで、こんなにちゃんと育った。

また【わたしのいい人】では、恵子おばさん自身に触れている。
小浜の故郷での幼い頃。医者になると決めて入った北大時代。そこでのめり込んだ演劇と恋愛。そして、結婚・出産・離婚。
いつでもおばさんは、一生懸命だった。

妹令子の不幸で預かった陽介だったが、そのおかげで姉妹の絆も取り戻せたし、おばさんはおばさんとしてこれまで通り生きていくことだろう。
その令子も、強くなった。

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【おれのおばさん】(19.05.20)

 

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2019.05.12

よしながふみ【きのう何食べた? 15】

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価格:659円
カテゴリ:一般
発売日:2019/03/22
出版社: 講談社
レーベル: モーニングKC
サイズ:19cm/159p
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-514949-2

テレビ東京“ドラマ24”4月クール ドラマ化決定!! ダブル主演 西島秀俊・内野聖陽 【2DK男2人暮らし 食費、月2万5千円也。】【商品解説】
紹介文が本ではなく、ドラマの紹介になっている。西島さんのシロさん、素敵だろうな。
などと思いながら見始めて、毎回観ている。

 

それにしても、二人とも随分年を取ったなぁ。

 

冒頭では、知人の家での「手巻き寿司」が出てくる。
二人暮らしでは、なかなか出来ない献立だ。

 

ケンジは店長になっていて、毎日帰宅が遅い。しかも定休日にまで、店に来られないお客の家へ出張サービスをしている。
二人の夕食は、週に一度くらいしか出来ない。

 

身体壊さなきゃいいけど……
こうして、少しずつ生活のスタイルも変わっていくんだ。

 

当たり前だけど、ちょっぴり寂しい。

 

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2019.05.11

原田マハ【異邦人】

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価格:1836円

    • サイズ:20cm/377p
  • ISBN:978-4-569-82381-2
画廊の青年専務と結婚し、出産を控えて京都に長逗留していた菜穂は、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われ…。【「TRC MARC」の商品解説】

【異邦人】と書いて、「いりびと」と読む。
京都には、余所者を排除する風土がある。

菜穂という本書のヒロインは、どうしても好きになれなかった。
身勝手で、傲慢で。

しかし、夫の一輝と母の克子の仕打ちに対する怒りには、充分同情できる。

 

舞台は、2011年の東京と京都。

妊娠している菜穂は、汚染されていると言われる東京の空気を嫌って、京都へ逃れている。
彼女の実家は、画廊。その副館長であり学芸員でもある菜穂は、画商の篁一輝に嫁いでいる。
しかし、夫を東京においたままで、京都に住み続けている。

そこへ、京都の画家や画商が絡み、また実家や婚家の不景気も追いかけてくる。
そして、偶然見つけた樹(たつる)という無名の画家にのめり込んでいく菜穂。

思いがけない出生の秘密も相まって、最後は急速に物語が進みすぎる感があった。

原田マハの作品は美術を扱ったものでもこれまで好きだったのだが、本書はちょっと傾向が違いすぎた。

 

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2019.05.09

笹沢佐保【水木警部補の敗北】

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価格:555円
発行年月:2000.3
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
サイズ:16cm/293p
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-72977-6

佐賀県多久市の山中で横浜在住の画家・井坂俊介が絞殺体で発見された。死亡時刻の二日前までともに写生旅行を楽しんでいたはずの妻・レイは死んだ井坂に対し、なぜか冷ややかな憎悪をみせる。

水木警部補は、決して敗北したわけではない。
しかし、結婚や家庭に対する女性の意識が変わってきていることには、気づいていなかった。

今回、二人の女性に翻弄されて、彼は敗北したと思ったようだ。
といっても本書の刊行はほんの20年ほど前だし、もうすでにこうした女性も多くなっていただろうに。

しかい、確かに二人とも傑出しているとは言える。
それは、やはり財力がものを言うのであろう。

被害者が二度死んだというのが、本書のキモかもしれない。

 

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2019.05.07

佐川光晴【おれのおばさん】

Photo_23価格:486円

    • カテゴリ:一般
    • 取扱開始日:2013/03/16
    • 出版社:集英社
    • レーベル:集英社文庫
      利用対象:一般
      ISBN:978-4-08-745050-7
東京の名門校に通うエリート中学生・陽介は、父の逮捕によって生活が一変。母の姉で元女優の変わり者のおばさんが営む札幌の養護施設で暮らすことに…。【「TRC MARC」の商品解説】

再読だが、以前より一層面白く感じた。

陽介とが吉見と大竹とのトラブルで親子揃って呼び出されたとき、大竹の父親に対するに吉見の父親の態度が非常に立派だった。なかなかああは行かないだろう。
その後、若干の距離を保ちながらも、洋介と吉見はいいライバルとして中学生活を送ることが出来る。
この時の、学校側の対応がまたいい。実は校長はおばさんのファンだったようだ。

途中、おばさんの後輩が仕事をしている奄美大島の家を借りて、夏休みをそこで過ごす。
そこまでの道中が、鉄子である女子二人のプランで4日かけて舞鶴から鈍行で行くというのも楽しい。

この奄美大島での滞在は、参加した二年生それぞれの進路を決める上での大きな体験になった。

おばさんも、その元旦那や後輩たちの北海道での破天荒な学生時代というのも、「昔懐かし」なのだろうな。

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佐川光晴【おれのおばさん】(12/07.24)

佐川光晴【おれたちの青空】(19.05.1)

 

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2019.05.05

【ロイヒトトゥルム1917ではじめる箇条書き手帳術】

1917価格:1620円


発売日:2018/06/27
出版社: 実務教育出版
サイズ:21cm/159p
利用対象:一般
ISBN:978-4-7889-1954-9

思考・行動整理法として人気の手帳術「バレットジャーナル」を徹底解説する。リアルな使い方&工夫事例が満載。【「TRC MARC」の商品解説】

このノートを導入してほぼ5ヶ月経った。
特に入院中は、これに全部のことを書き付けていた。

あらためて、使い方をおさらいした方がいいような気がして、再購入したもの。

前回書いたように、色とりどりのラインナップに惹かれる。
そして使い方としては、事例集だなという印象も同じ。

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もう一冊 → 

価格:1210円
発売日:2017/10/13
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
サイズ:19cm/198p
ISBN:978-4-7993-2181-2

これも、同じようなサンプル集だった。

どちらも、自分なりの使い方でいいのだという傍証にはなったかな?


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